わたしの化身

『ルーム』という映画をみていたら、涙がでてきた。

ふとベッドの方を見ると、あびくんがすやすや眠っている。

私は急にあびくんに近づいて、どーんとベッドに腰をおろした。

あびくんはビックリして、顔を上げた。

その顔が、目が、縦に寄っていて、しわになって、ものすごく変な顔だった。

そんな変な顔のまま、あびくんはビックリしていた。


私はベッドに横になり、あびくんを胸の上にのせた。

さっき流した涙がまたでてきた。

あびくんは私の胸の上で、落ちそうになる足を持ち上げた。

私の胸の上で、あびくんは首を動かしている。

体はそのままで、首を右にやり前にやり、左にやり前にやり、また右にやって前を向く。

そんなことを繰り返している。

私はあびくんを見ながら急に、「あびくんといっしょに死にたい」そう思った。

つい、声に出していた。

あびくんは相変わらず首を動かし続けている。

いつもならすぐに降りてしまうのだけど、今日はずっと私の胸の上にいてくれる。

あびくんにはそういうところがある。

私が泣いている時、落ち込んでいる時、なぜかじっとそばにいてくれる。

何か感じるのだろうか。

にゃーともいわず、ただそばにいてくれる。

そんなあびくんを、改めて好きだなと思う。


少し気持ちが落ち着いてきたので、泣くのをやめてじっとしていた。

すると、あびくんは私の上から降りた。

やっぱりそうなんだよね。


そして今、こうしてブログを書いている。

コーヒーを淹れて飲んでいる。

あびくんの声が聞こえる。

にゃーにゃーと言いながら、寝るポジションを探している。

そして、丸くなって眠りに入った。


あびくんは、私の化身なのだろうか。

22年もいっしょに暮らしているからなのだろうか。

映画『ルーム』の内容とかぶる気がした。

とても不思議な感覚だった。


猫又【あびくん♀22歳】気まぐれ長生き猫日記

2018年1月30日。 この日22歳になったメス猫あびくん。 あびくんと22年間一緒に住んでいる42歳の飼い主ぴろこ。 1匹と1人の楽しい日々が綴られた日記です。 東京都大田区蒲田在住です。 何か感じるところがありましたら、ぜひコメントくださいね♪

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