あびくんが、死にました。

2018年3月9日。
午前6時すぎ。

あびくんが、死にました。

足元からケホケホいう音が聞こえて、
ガバッと起きてそこへ行くと、
あびくんがケホケホいっていて、
足が少しぬれていました。

少し苦しそうにして、
そして息をしなくなりました。

昨夜からおなかで息をするようにしていて、
様子はおかしかったのです。

たまに頭をなでると、
小さな音でゴロゴロいってくれました。

あれはきっと、
私のためだったのでしょう。

床で生き絶えたので、
ベッドの上にのせて、
タオルでくるんであげています。

すぐ横にあびくんはいるけれど、
もう息をしていません。

目が開いたままだったので、
今閉じてあげています。

だんだん冷たくなってきています。

だけど毛はまだふわふわで、
驚くほどかわいいままです。

見るたびに、かわいいと思い、
そんなあびがこのまま消えてしまうのかと思うと、
どうしようもない悲しみがこみ上げます。

だけど、とにかく、何度見ても、
あびくんはかわいいままです。

たとえ冷たくなっても、
かわいい顔で眠っています。

体を持ち上げると、
そのままの形で持ち上がります。

もう、くにゃっとした、
あのしなやかな体はありません。

よくこんなに長い間いっしょにいてくれたと、
よくこんなのに長い間生きてくれたと、
冷たくなった体をさわりながら、
感謝というか、
ありがとうという気持ちになります。

だけどやはり悲しい。
かわいい顔を見るたび、
ぶはっと泣けてきます。

あびくんので頭の上に、
私が使ったティッシュがたくさん置かれていて、
それがなぜか白い花束のように見えてきます。

メガネをしていないから、
そんなふうに見えるのかな。

ああ、鳥が鳴いている。
朝ですね。

強い風が吹いていて、
雨も降っているようです。

あびくんが死んでしまったこの日が、
こんな天気でよかった。

変に晴れていなくてよかった。

あ、耳だけはやわらかい。
いつもいつもさわっていたあびくんの耳。

さわるとあびくんは首をかしげて、
もっとさわってとしたもんだね。

もう動かないのか。
悲しいな。

涙が止まらないけど、
アッシュの時の突然の死とは違って、
ある程度覚悟はしていたから。

だけど思ってしまう。

私はこれからどうやって生きたらいいの?
だって帰ってもあびくん、いないんでしょう?

そんな質問は愚問だね。

あびくん、ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。

ありがとう。
ありがとう。

私、どうやって生きていけばいい?






猫又【あびくん♀22歳】気まぐれ長生き猫日記

2018年1月30日。 この日22歳になったメス猫あびくん。 あびくんと22年間一緒に住んでいる42歳の飼い主ぴろこ。 1匹と1人の楽しい日々が綴られた日記です。 東京都大田区蒲田在住です。 何か感じるところがありましたら、ぜひコメントくださいね♪

2コメント

  • 1000 / 1000

  • ゆりさん、コメント嬉しいです。 先ほど、あびくんはお寺に引き取られていきました。これから火葬です。 死んでから丸一日半経っても、 肉球はやらわかく、毛はホワホワで、耳には弾力がありました。 いつもそうするように、私は耳をなでながら、 ついつい視線を外に向けてしまうのです。 見なければ、まだあびくんは生きている、と錯覚できるからなのです。 それくらいにあびくんはかわいいままで、 やわらかいままで、愛らしいままでした。 最後までひざの上であびくんを、 いつまでもなでていました。 かわいいのです。 すごくかわいいのです。 死してなお、かわいいのです。 あびくんを引き取りに来てくれたおじさんがものすごく男臭くて、 そのあまりの匂いに私は現実に引き戻され、 おかげさまであびくんを笑顔で見送ることができました。 おじさんに感謝です。
  • ユリ

    2018.03.09 10:58

    先日コメントさせていただいたユリです。 あびくんの突然の訃報に驚き、読んでいてもらい泣きしそうになってしまいました。 うちの子達はまだ3歳と2歳なのでまだまだ猫人生は長いですが、それでもいつかは別れの時が来る。 それは自然の摂理である事はわかっていても、存在が大きすぎて「別れの時が来たら、自分、どうやって生きていけばいいんだろう」とたまに想像してしまう事があるので、途方に暮れてしまう気持ちが少しだけわかるような気がします。 先代猫との別れも経験してますし。 いつかお別れが来るとわかっていても、大切な存在を失った喪失感と悲しみ、それだけは拭い去る事の出来ない感情ですよね。。。